- The Film mate
ハリーポッターと死の秘宝 part1
脚本の構成の面白さ ⭐️⭐️⭐️
全体的なリズム ⭐️⭐️
映像美 ⭐️⭐️⭐️⭐️
キャスト ⭐️⭐️⭐️
その他 ⭐️⭐⭐️
ストーリー
セブルス・スネイプが放った死の呪文によってホグワーツ校長・アルバス・ダンブルドアは死亡し、死喰い人として帰還したスネイプは、ドラコ・マルフォイ達を連れて姿を消した。
スネイプに敗れたハリー・ポッターは、7年生に進級するはずだったが、前年にダンブルドアがハリーに遺した仕事「ヴォルデモートを滅ぼす唯一の手段である、分霊箱の破壊」を遂行するため、学校には戻らず、親友のロンやハーマイオニーと共に旅に出た。
ロンとの仲間割れや、ダンブルドアの残した不可解なヒントなど苛立ちが募っていく。
一方、ヴォルデモートと彼の率いる死喰い人の一大集団は着々と手を伸ばしていた。ヴォルデモート達によって魔法省は乗っ取られ、魔法大臣のルーファス・スクリムジョールが殺害される。それによって、ホグワーツもまたスネイプが校長になるなどの数々の異変が起きていた。
果たしてハリーたちはダンブルドアの残した遺産を解読できるのか、またスネイプは完全なるボルデモートの手下なのか、必見です。
監督
デイビット・イェーツ

この監督はハリーポッターシリーズの第5作目となる「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」から監督をしている。
デイビット・イェーツが監督を始めてからシリーズに重厚感と可愛げのあるコミカルなシーンが印象に残るようになった。
不死鳥の騎士団からはハリーを取り巻く環境がボルデモートにより大きく変わり始め、戦いがこれから本当に始まるという厳格な感じは伝わってくる。
言うなれば、子供も楽しめる前作までと大人をメインターゲットにしたシリーズに分けられるだろう。
彼はこの後もファンタスティックビーストシリーズも監督しており、すっかりおなじみの人となった。
映像に関していうと、闇の世界を表現しているのか全体的に黒を基調としているようなシーンが多く夢の世界とは程遠かった。また、ハリーたちは杖で魔法を使い敵と戦ったりしていたが、それがもはや拳銃で打ち合うようになっていた。もしこのシーンだけをみた人がいるとエマワトソンが棒から光線を出していたりするので、近未来の戦争映画かなと思うだろう。
「死の秘宝とは」
シリーズのタイトルにもなっている「死の秘宝」。
これまでもタイトルに出てくるアイテムは重要な役割を果たしてきた。
今回の「死の秘宝」は3つのアイテムのことを指す。
1つ目
ニワトコの杖
この世で一番強い杖

2つ目
蘇りの石
死んだ人を蘇らせられる石

3つ目
透明マント
透明になれるマント

死の秘宝にまつわる三人兄弟の物語
曲りくねった寂しい道を旅していた3人の兄弟が、泳いで渡ることのできない危険な川に魔法で橋をかけた。しかし半分ほど渡ったところで、『死』が現れて3人に語りかけた。兄弟たちがまんまと危険を回避したことに腹を立てていた『死』は、策を巡らし、3人にそれぞれ褒美をやると告げた。
1番上の兄は強力な杖を求め、『死』からニワトコの杖を与えられた。
2番目の兄は『死』をさらに辱めたいと考え、人々を生き返らせる力を求め、死者を呼び戻す力のある石を与えられた。
3番目の弟は『死』から逃れる手段を求め、透明マントを与えられた。
後日、
1番上の兄は強力な杖の力を吹聴し、自分は無敵だと人々に自慢した。しかし1人の魔法使いが眠っている彼を殺し、杖を奪い去ってしまった。
2番目の兄はかつて結婚を夢見ていた女性を死から呼び戻したが、死者である彼女はこの世になじむことができなかった。思い悩んだ2番目の兄は、彼女と本当に一緒になるため自らの命を絶ってしまった。
3番目の弟は透明マントで身を隠し、歳をとった。透明マントを息子に受け継がせた後、『死』を古い友人として迎え入れ、自らの意志でこの世を去っていった。
感想
今回はハリーポッターシリーズの第7編目の「ハリーポッターと死の秘宝 part1」の感想を述べていきたいと思う。
まず率直な感想としては、全体的に暗い印象を持った。ハリーポッターといえば魔法界の話で孤独で友達のいないハリーポッターが魔法界において有名人であり、どんどん有名になっていくと言うシンデレラストーリーとそれを取り巻く夢のあるファンタジー映画という印象があった。しかし前作のハリーポッターと謎のプリンスあたりからその雰囲気は徐々に少なくなっていき、今回の「ハリーポッターと死の秘宝 part1」では完全にその雰囲気は取り払われ、ある種スパイ映画のようになっていた。それは悪い意味ではなくハリーが魔法界から現実の世界で逃げ惑うと言うリアリティの表現にもなっており個人的にはすごく納得できた。また今回は音楽も控えめな気がしていてそのことも今までのハリーポッターシリーズとは違った印象を持たされた一因であろう。
また先ほど紹介した三人兄弟の話も面白く、アニメーションで描かれていたため新鮮なおとぎ話として楽しめた。