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雨のやむとき PFF2019準グランプリ受賞作 「王道の青春群像劇」がPFFで受賞できた理由とは?

⭐️⭐️⭐️☆☆/3点


今回はPFF2019年度の準グランプリの受賞した【雨のやむとき】について紹介していきたいと思います。


目次

監督

あらすじ

感想

まとめ


監督

今作のメガホンを取ったのは、山口優衣さんという女性監督です。


twitter:

@peace_smily


卒業制作ということで、学校に通っている4年間ずっと形にしようと考えていたそうです。

実際にモデルとなる事件が起きたらしくそれを元に制作をしようと考えているとなかなか現実化することができずに4年間経っていたと話されていました。

前列の左から二番目の緑色の服を着ているのが山口監督です。

山口監督の右隣の男女二人が今作の主役の二人です。

ちなみに山口監督の左側の男性がこの時のPFFでグランプリの「おばけ」を監督された中尾監督です。


あらすじ

幼い頃に両親が離婚して母親と二人暮らしをしている主人公のこうた。クラスでは目立たない存在でいつも一人でいる。

母親は毎日彼氏と電話をしている複雑な家庭で育ち、それでもこうたは洗濯物を手伝ったりご飯を買いに行ったりと気を使いながら生活をしていた。

もう一人の主人公のみかこも複雑な家庭環境で育っていた。父親が再婚で父に連れられ再婚相手の母親とその子供と暮らしていた。

クラスでは普通に友達もおり仲のいい人たちといつもつるんでいる。


ある日こうたは漫画を持って橋の下へと行き一人で漫画を読んでいた。するとクラスメイトのみかこがやってくる。

「ちょっと付き合ってよ」

みかこがこうたを誘うとこうたも迷わずついていく。

一緒に人の家のトマトをちぎって食べて一緒に帰る。

何気ない日常だったが二人にとっては特別な時間で仲良くなれた気がした。


こうたが家に帰ると母親が泣いて抱きついてくる。

心配で仕方がなかったのだ。

「お母さん、こうちゃんがいなくなったら、、、」

と泣きついてくる。

「ごめんね」

母親に本気で心配をかけ心から反省をするこうた

これからは母を一人にして夜遅くまで出かけるなどしないと誓う。

それからというもの、みかこと一緒に橋の下で一緒に漫画を読むときも時間が来るとすぐ帰るようになる。


しかし、後日、母は男を連れて深夜に帰宅する。

リビングでイチャイチャする二人を見て憤りを覚えるこうた。

そして、こうたはまた一人で橋の下へといく。

するとそこへいつものようにみかこが来る。

今回はお友達を二人連れての登場だ。

仲良くできたと思ったが、後日学校でみかこが友達二人に悪口を言っているのを聞かされる

心配をしているとちょうどみかこから電話がかかってきて遊ばないかと誘われる。


一緒に高円寺の街をふらつく二人。

親が心配しているから家に帰ろうとするこうたと家に帰っても居場所がなく帰りたくないみかこ。

こうたは家に帰らず、みかこと共に夜の街を徘徊することにして物語は終わる。


感想

初めに思いつく言葉は「王道の青春ドラマ」ということです。

若者たちの複雑な心情に焦点を当てた作品は数々存在しこれまでも色々な映画祭で受賞してきたであろうが、今作もその一つであると言えます。

設定自体も孤独な男女二人が通じ合うというよくあるもので、最終的には恋人になるわけでもなく体の関係があるわけでもないが、友達とも言えないなんとも言えない関係という切ない終わり方でもあると言えるでしょう。

このラストに向けては教授ともよく話し合ったそうでどういうふうに帰着させるのか悩んだのでしょう。

その甲斐あってかすごく納得のいく結末で、自主制作映画によくあるような意味不明の結末や後味の悪い結末にはなっていません。


一方

映画の内容はストーリーだけではありません。

ストーリーはそこまで新しくはないものの、やはり何度も擦られているだけあって飽きはしなかったです。

たぶんこうってああなってってわかっているけど見てしまう、見れてしまう魅力はありました。それが受賞につながったのでしょうか。


ベタな設定であるが、飽きずに30分見続けられた理由をいくつかあげます。


評価できるポイント

  • 主人公二人の身長差

例えば中学生独特の男女の成長スピードの差を想起させる主人公二人の身長差です。

学年が違うのかなと思うほど身長が違ってよかったです。リアルでした。


  • あえてセリフを決めないアドリブの芝居

監督がインタビューで明らかにしているのですが、親子の会話などはあまり決めずに撮影したシーンもあるそうです。特に冒頭の部屋でのこうたと母親のくすぐるシーンは間などがリアルだったのでアドリブかもしれませんね。


  • 手持ちのカメラが味がある

卒業制作ということでカメラマンがきちんといたそうですが、そのカメラマンの方がカメラにも拘って撮影をしていたとのことです。

パナソニックのHMC155というものを使ったそうです。


まとめ

設定や内容などは新しいとは言えないものの、映画としてクオリティが高く30分見続けることができます。

多少ストーリー展開が急なことはありましたが、30分なので仕方ないでしょう。

PFFの準グランプリを受賞するほどの作品ですから当然なのですが、学生でもこのくらいお金をかけてやるんだなと思い驚きました。

鉄板の青春ドラマを見たい人にはおすすめです!


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